株式会社ENEOSマテリアル 四日市工場
環境保安部 部長
橋本 宏司
四日市コンビナート先進化検討会、規制合理化関連部会長をしている株式会社ENEOSマテリアルの橋本です。企業側を代表して一言お話しします。
この検討会には、コンビナート企業がどのように先進化していけるのか、簡単には進まないと思いながらも、個々の企業ではできないことも協力できれば何かできるのではと思い、参加しました。この検討会の活動によって、今までできなかった事ができるようになれば、企業にとっては、安全を維持しながら効率が上がることで利益が向上し、市としても経済が活性化し、企業と行政がWIN-WINの関係になり、大変意義深い活動だと思います。
規制合理化に取り組もうとしたのは、私が千葉工場にいた際に、市原コンビナート地域でも、民間会社同士で規制について、相談して協力して全体の競争力を上げて行こうという集まりがありましたので、今の時代はそういう需要があるのだと感じていたことがきっかけです。この検討会の部会長として、千葉の経験も踏まえて、できる事を皆に働きかけてみようと取組みを始めたところです。
規制合理化関連部会の具体的な取組みとしては、産業廃棄物、公害防止協定、高圧ガスや危険物に関する合理化を図るもので、一社で取り組んでも、進展しないようなテーマもありました。この検討会を通して合理化に向けた提案を行うことは、企業一社の意見ではなく、数社の要望をまとめて、市の事務局と一緒に規制部門と、交渉ができるという仕組みのプロジェクトのやり方が、目標に向かって進捗が上手くいったのではないかと思います。結果的に企業、規制部門、事務局が三位一体となったことが良かったのではないでしょうか。
部会の主な活動は、プラント内でのドローン活用や非防爆電子機器の危険場所への持込み、産業廃棄物処理場の現地確認の共有化、公害防止協定の運用細則の充実、消防や高圧ガスの法規制や申請書類の電子化や、申請手数料のキャッシュレス化等の項目でした。それぞれの内容を吟味してみて、現在の時代の観点で、合理的なのかという事を、皆で見直してみようという活動でした。最近の言葉的には合理化=スマート化という事で、スマート化チームを3つ立ち上げ、それぞれのチームが精力的に活動しています。
これまでの成果や今後の抱負については、こちらの動画をご覧ください。
企業へのアンケートにより課題を抽出し、規制の合理化によってそれらの課題を解決するため、以下の3つのグループに分かれて議論を開始した。
・ドローン等新技術の活用
工場敷地内においてドローン等新技術の活用を検討し、効率的な設備点検等につなげる。
・IoT等新技術の活用(非防爆機器の活用)
工場敷地内において新規技術を用いた機器等の活用を行い、安全性や生産性向上によるスマート化を図る。
・工場立地法敷地外緑地の認定
工場立地法における、敷地外緑地の認定により、企業敷地の有効活用を図る。
・公害防止協定運用細則の充実
公害防止協定における協定値の考え方を整理、共有化することで、スマート化を図る。
・土壌汚染対策法及び県条例の整理
三重県県条例の根拠と有効性の確認と土壌汚染対策法改正に併せた同条例のスマート化を図る。
県条例規則で規定されている産業廃棄物処理場、業者の現地確認について、各企業が実施している監査内容と保証項目を見える化、共有する事で、業務効率化を図る。